2021.11.10
, EurekAlert より:
乳児用調製粉乳は、新生児の腸内の抗生物質耐性関連遺伝子の発生率が約70%高いことに関連した、というフィンランド・ヘルシンキ大学からの研究報告。
研究ではまた、母乳哺育は、新生児の抗生物質耐性日和見病原体の増殖の減少と関連していることも明らかになった。
研究チームは、46名の新生児の腸メタゲノム解析を実施した。
その結果、調製粉乳で哺育された新生児(人工乳児)は、Staphylococcus aureus、 Staphylococcus epidermidis、 Klebsiella pneumoniae, Klebsiella oxytoca、 Clostridioides difficileのような日和見病原体が比較的多かったという。
腸内細菌の抗生物質耐性遺伝子は、完全母乳児に比べて、人工乳児で、69%多かった。人工乳児はまた、潜在的に健康利益をもたらすとされるビフィズス菌のような乳児に典型的な細菌が有意に少なかったという。
「本研究結果は、以前の研究で収集された600人以上の新生児の腸内細菌叢データを再分析することで確認された。このデータセットでも、乳児用調製粉乳は、乳児の腸内での抗生物質耐性遺伝子の発生を約70%増加させた」と筆頭研究者のカタリーナ・ペルナネン博士はコメントしている。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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