2021.11.2
, EurekAlert より:
推奨範囲内でも血圧が高めの人々は、脳の加齢が加速するリスクがあるようだ、というオーストラリア国立大学からの研究報告。
研究では、最適な血圧が、脳を実年齢より少なくとも6ヶ月若い状態を保つのを助けることを発見したという。研究チームは現在、彼らの重要な発見を反映するために国の健康ガイドラインを更新することを求めている。
研究チームは、12年間にわたって健康な中年者335名(44-46歳)とより年長者(60-64歳)の2,000回以上の脳スキャン画像を分析して、機械学習アプローチを使用して脳の健康状態を評価し、「観察された」年齢(BrainAGE)を推定し、実年齢と比較した。参加者の血圧は、12年間で最大4回測定された。血圧とBrainAGEの間の縦断的関連は、線形混合効果モデルで評価された。
解析の結果、追跡調査期間中に、血圧の漸進的な増加が観察された。そして、血圧が10mmHg上昇するごとに、BrainAGEが65.7日上昇することを発見したという。
血圧が上昇した者と比較して、理想的な血圧を保ち続けた者は、中年期までに6カ月以上若い脳を保持していた、と研究チームはまとめている。
「135/85の高血圧の人と比較して、110/70の最適な血圧の人は、中年に達するまでに6ヶ月以上若く見える脳年齢を持っていることがわかった」と心臓専門医で共同研究者のウォルター・アバヤラトナ教授は語っている。「血圧が問題になるのを待つのではなく、血圧が上がりすぎないように、人生の早い段階でライフスタイルと食事の変更を導入することが重要だ。」
筆頭著者のニコラス・チェブイン教授は、血圧上昇の影響が脳に影響を与えるには時間がかかるため、この調査結果は20代と30代の若者にとって特に懸念されることを浮き彫りにしている、とコメントしている。
出典は『加齢神経科学の最前線』。 (論文要旨)
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