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[その他]  我々はグーグルが我々にそう思わせるほど物知りではない
2021.11.1 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

オンラインで回答を検索するのが習慣になり、我々は自分が知っていることに自信過剰になる可能性が高まっている、という米国テキサス大学からの研究報告。

グーグルなどのオンライン検索エンジンは、一見どんな質問にもすぐ答えることができ、人々はこれまで以上に多くの知識にアクセスできるようになっている。けれども、研究チームによると、外部情報へのこのオンデマンドのアクセスは、人々が自分の知識についての認識を変える可能性があり、人々は自分の記憶がどこで終わり、どこからインターネットが始まるのかを見失うという。

「我々が常に知識とつながっていると、内部と外部の知識の境界があいまいになり始める」と論文著者のエイドリアン・ワード助教授は述べている。「我々は、インターネットの知識を自分自身のものと間違えるようになる。」

人間は長い間、本や他の人々に保存されている外部の知識に依存してきたが、オンライン検索により、内部の思考と外部の情報との間のインターフェースがより迅速かつシームレスになり、境界がぼやけてしまったという。

「グーグルを検索するプロセスが、あなた自身の記憶を検索するのとよく似ているからだ」とワード助教授は言う。「それは人々がオンラインで見つけた情報を彼ら自身の頭の中の情報と混同する原因となる可能性がある。」

ワード助教授は、いくつかの実験を行うことによってその可能性を調査した。最初に、参加者は自分で、またはオンライン検索を使用して、10の一般的な知識の質問に答えた。次に、外部ソースを使用して情報を見つける能力と、情報を記憶する能力にどれほど自信があるかを報告した。

当然のことながら、グーグルを使用した参加者は、より多くの質問に正しく回答し、外部の知識にアクセスする能力に自信を持っていた。さらに驚くべきことに、彼らは自分たちの記憶にも自信を持っていたという。

次の実験では、1回目には参加者は同じ10の一般知識の質問に自分でまたはオンライン検索を使用して回答した。それから参加者に、2回目の知識テストは外部の情報源を使用せずに受けると告げ、正しく答える質問の数を予測するように依頼した。

1回目にグーグルを使用して知識テストを完了した人は、2回目で自分の記憶に頼らざるを得なくなっても、はるかに多く正答するだろうと考えた。つまり、最初のテストの成績が、グーグルを使ったからではなく、自分の知識によるものだと考えたということである。

その後の実験が、この効果の説明を提供した。その実験では、参加者は、自分の知識で答えるか、グーグルを使用するか、あるいは検索結果を25秒遅らせるバージョンのグーグルを使用して質問に回答した。標準のグーグルを使用した参加者とは異なり、「遅いグーグル」を使用した参加者は、自らの知識に自信がなくなり、2回目のテストでの成績の向上を予測しなかったという。これはつまり、素早い検索速度が知識の帰属を誤らせる原因の一部であることを示唆している。

最後の実験では、参加者にグーグルまたはウィキペディアのいずれかを使用して50の質問に答えるように求めた。どちらのツールもすべての質問に対して同じ回答を提供したが、ウィキペディアには、回答がオンラインで発生したことを人々が思い出すのに役立つ追加のコンテキスト情報が含まれている。

次に、参加者に70の質問(以前から50の質問と20の新しい質問)が表示され、それぞれが内部知識またはインターネットを使用して回答されたかどうか、またはそれが新しいかどうかが尋ねられた。グーグルを使用した人々は、情報源を特定する際の正確性がはるかに低かった。ウィキペディアを使用した人々よりも、オンライン情報を自分自身に帰する可能性が高かったという。

「我々は、人々がグーグルで検索したことさえ忘れるのをみた」とワード助教授は述べている。

本研究結果は、オンライン検索がしばしば我々が記憶のアクセスするよりも素早く結果を返してくるために、我々は皮肉にも知らないことをより多く知っていると思い込むことを示唆している。

ワード助教授は、本研究を実施して以来、グーグル検索を少し控えるようになったと述べている。その代わりに、情報を探す際、自分自身の記憶を検証することが多くなったそうである。

出典は『国立科学アカデミー論文集』。 (論文要旨)      
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