2021.10.28
, EurekAlert より:
身体活動ガイドラインで推奨されている週5時間の中強度身体活動を満たせば、米国では年間46,000件以上のがん症例を予防できる可能性がある、という米国がん協会などによる研究報告。
『スポーツ及びエクササイズの医療と科学』誌に掲載された最新データによると、2013年から2016年の間に米国の30歳以上の成人のがん症例全体の3%が運動不足によるものであり、その割合は男性(平均年間関連死亡数14,277人)と比較して女性(32,089人)の方が高かった。
男女両方で、身体的不活動に起因するがんの割合が最も高い州は、ケンタッキー州、ウェストバージニア州、ルイジアナ州、テネシー州、ミシシッピ州などの南部諸州であり、最も低い州は、ユタ州、モンタナ州、ワイオミング州、ワシントン州、ウィスコンシン州など山岳地帯と北部の州だった。
本研究は、がん部位(乳房、子宮内膜、結腸、胃、腎臓、食道腺癌、膀胱)ごとに、身体不活動に起因する症例数を州単位で推定した初めての研究だという。
胃がんの16.9%、子宮内膜がんの11.9%、腎臓がんの11.0%、結腸がんの9.3%、食道がんの8.1%、女性の乳がんの6.5%、および膀胱がんの3.9%が運動不足と関連していていることが示された。州別の運動不足に起因するがん症例の割合は、ユタ州の2.3%からケンタッキー州の3.7%の範囲だった。
「この調査結果は、がん予防の手段として身体活動を奨励し、レクリエーションの身体活動に対するさまざまな行動的および社会経済的障壁に対処する個人レベルおよびコミュニティレベルの介入を実施する必要性を強調するものだ」と研究チームはまとめている。
出典は『スポーツ及びエクササイズの医療と科学』。 (論文要旨)
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