2021.9.29
, EurekAlert より:
COVID-19パンデミックは、メンタルヘルスの問題を悪化させ、人々の身体活動の維持をより困難にすることによって、周期的な公衆衛生問題を作り出したようだ、という米国ノースカロライナ州立大学などによる共同研究。
本研究はまた、低所得世帯において、メンタルヘルスの問題と身体活動レベルの維持の両方がさらに困難になっていることを明らかにしている。
「身体活動が人々のメンタルヘルスの維持に重要なことを我々は知っているが、本研究は、パンデミックが多くの人々に課した容赦のないサイクルを明らかにしている」と共同研究者のリンゼイ・ヘインズ=マズロウ准教授は語っている。
「パンデミックは精神的苦痛を増大させ、それが身体活動レベルの維持をより困難なものにする。これが、翻ってさらにメンタルヘルスを傷つけ、それがかれらを不活発にし、という具合に続く。ジェットコースターに乗ってしまうと降りることは困難だ。これらすべてがパンデミックによって悪化し、人々は安全に運動できる場所を見つけるのが難しくなっている。」
本研究で、研究チームは2つの疑問に焦点を当てた。パンデミックは身体活動とメンタルヘルスにどのように影響したか? そして、もし身体活動とメンタルヘルスに相互に関連があるなら、それはどのようなものか?
これらの質問に対処するために、研究チームはルイジアナ州、モンタナ州、ノースカロライナ州、オレゴン州、ウェストバージニア州で4,026人の成人を対象に詳細なオンライン調査を実施した。調査は2020年4月から9月の間に実施された。
データ解析の結果、研究チームは、身体的に活発な人々ほど、メンタルヘルスの状態が良いことを発見した。これは、人種/民族、経済状態、およびその他の社会経済的人口統計学的変数を考慮した場合でも当てはまった。
研究チームはまた、個人の世帯収入が高いほど、パンデミック前の身体活動レベルを維持できる可能性が高いことを発見した。具体的には、年収が5万ドル未満の世帯の人々は、年収が5万ドルを超える世帯の人々と比較して、パンデミック前のレベルの身体活動を維持する可能性が1.46倍低かった。
さらに、調査では、都市部の参加者は、農村部の参加者と比較して、パンデミック前の身体活動レベルを維持することが困難であると報告する可能性が高いことがわかった。
「通常、パンデミックが発生していないときは、農村部の人々は都市部の人々よりもメンタルヘルスの問題を報告する傾向があるため、この農村部/都市部の発見はやや意外だった」とヘインズ=マズロウ准教授は言う。
自由記述形式の調査結果からは、多くの参加者が外出禁止令の際に身体活動を続けるのに苦労していることが明らかになったが、農村部の参加者は、自分たちのオープンスペースが外に出て移動する機会をどのように増やしたかについても語っている。参加者はまた、介護、倦怠感、メンタルヘルスのストレッサーがどのように身体活動を妨げ、サイクルを永続化させているかについて語った。
「我々の調査結果は、メンタルヘルスがこのパンデミックの間の永続的な課題であるということを思い起こさせる」と共同研究者のアニー・ハーディソン=ムーディ准教授はコメントしている。
「この調査データは、パンデミックの初期の数か月間に人々が何を経験していたかを理解するのに役立つ。また、オープンスペースにアクセスすることの重要性と、人々がそれらのスペースにアクセスするのを妨げるために設けられている障壁を理解するのにも役立つ。」
出典は『予防医学レポート』。 (論文要旨)
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