2021.9.28
, EurekAlert より:
筋力トレーニングだけでも、体脂肪全体の1.4%を減らせる可能性がある、という豪州ニューサウスウェールズ大学からの研究報告。
筋肉をつけるには筋力トレーニング、脂肪燃焼には有酸素運動というのが基本といわれているが、本当だろうか。必ずしもそうではなという。
実際、既存の根拠を系統的レビュー・メタ分析した本研究は、筋力トレーニングだけで体脂肪全体の約1.4%を減らせることを示している。これは、有酸素運動やエアロビクスによるものに類似している。
「多くの人は、体重を減らしたいのなら、外に出て走る必要があると考えている」と主任研究者のマンディ・ハグストローム博士は述べている。「けれども、我々の調査結果によれば、筋力トレーニングが単独で行われた場合でも、意識的にダイエットしたり走ったりせずに、体脂肪の好ましい損失を引き起こすことが示されている。」
これまで、筋力トレーニングと脂肪の減少との関連は不明だったという。過去にこの関連性を調査した研究はあるが、サンプルサイズは小さい傾向があった。これは、何ヶ月も続けて運動することを志願する人があまりいないことの副作用である。サンプルサイズが小さいと、統計的に有意な結果を見つけるのが難しくなる可能性がある。
「1つの研究だけに基づいて効果があるかどうかを見分けるのは本当に難しいかもしれない」とハグストローム博士は言う。「けれども、これらすべての研究を足し合わせることで、1つの大きな研究を効果的に作成し、何が起こっているのかをより明確に把握することができる。」
博士らの研究チームは、筋力トレーニングプログラムの結果を測定するために、非常に正確な形式の体脂肪測定(脂肪量と除脂肪量を区別できるボディスキャンなど)を使用した58の研究論文からの調査結果をまとめた。全体として、研究には3,000人の参加者が含まれ、全員が以前にウェイトトレーニングの経験がなかった。
筋力トレーニングプログラムは研究間で異なったが、参加者は各セッションで約45-60分間、週に平均2.7回トレーニングを行った。プログラムは平均約5ヶ月続いた。
解析の結果、研究チームは、参加者がトレーニングプログラム後に平均して総体脂肪の1.4%を失ったことを発見した。これは、ほとんどの参加者の脂肪量が約0.5キロ減少したことに相当するという。
本調査結果は筋トレ愛好者にとって励みになるかもしれないが、ハグストローム博士は、脂肪を減らすことを目指す人々にとっての最善のアプローチは、栄養価の高い食事を順守し、有酸素/エアロビクス運動と筋力トレーニングの両方を含む運動ルーチンを実施することだと述べている。
出典は『スポーツ医学』。 (論文要旨)
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