2021.9.28
, EurekAlert より:
腸内細菌叢は、ヒトが体重を減らす能力に影響を及ぼしているようだ、という米国システム生物学研究所からの報告。
研究チームは、健康的なライフスタイルのコーチングを含む商業ウェルネスプログラムに登録されたより大きな集団から選択された105人の参加者の減量について分析した。
参加者の48人は6-12カ月の介入期間中に1カ月で1%以上減量した者で、57人は同じ期間中体重変化がなかった者である。
参加者は、コホート参加時に血液メタボロミクス、血液プロテオミクス、臨床検査、食事調査、便16S rRNA遺伝子配列を測定されており、体重変化データも記録されていた。
介入前の腸内細菌叢の分析の結果、体重が減った人の腸内細菌叢は、細菌の増殖速度が速く、食事の栄養素を細菌の細胞増殖に向ける遺伝子が豊富だった。逆に、減量に抵抗性のあった人の腸内細菌叢は、増殖速度が遅く、非吸収性食物繊維とデンプンを吸収可能な糖類に分解する高い能力を持っていたという。減量に抵抗性のある人の腸内細菌叢はまた、腸内環境の炎症レベルを高める可能性が高かった。
「我々の結果は、腸内細菌が、食べた物が血液に入る間の重要なフィルターの役目を果たしているという事実を強調するものだ。減量は、腸内細菌の成長が遅く、食物繊維を醗酵させて有機酸にせずに、カロリーになる糖類に分解して血中に送り込む場合には特に困難である」と筆頭著者のクリスチャン・ディーナー博士はコメントしている。
出典は『mシステム』。 (論文要旨)
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