2021.9.16
, EurekAlert より:
母乳育児を支援する公衆衛生の取り組みにもかかわらず、粉ミルク企業のウェブサイトのメッセージと画像は母乳育児を思いとどまらせ、粉ミルクの利点を宣伝するものだった、という米国ニューヨーク大学からの研究報告。
研究チームは、米国市場の98%を占める3つの主要な粉ミルクブランドと2つのオーガニックブランドのウェブサイトを分析して、母乳育児と母乳に関するメッセージと画像を乳児用粉ミルクに関するものと比較した。
その結果、5つの粉ミルク企業のウェブサイトでの実質的なメッセージが、母乳育児を思いとどまらせることに焦点を合わせていることを発見したという。
ウェブサイトには、粉ミルクよりも母乳育児や母乳に関するメッセージが多く含まれていたが、母乳育児のコンテンツの多く(40%)が、母乳が出ない、ラッチが難しいなどの問題に焦点を当てていた。母乳育児や母乳のメリット(26%)よりも、粉ミルクのメリット(44%)に多く言及されていた。さらに、企業は自社ブランドを他社ブランドと積極的に比較せず、母乳育児と比較していた。
ウェブサイトの画像は、授乳が難しく労働集約的あるように見せ、同時に粉ミルクのメリットを示していた。
「母乳の供給量の減少や乳首の痛みなどの母乳育児の問題についての乳児用粉ミルク企業の繰り返しのコミュニケーションは、母乳育児をしている女性の画像と相まって、母乳育児は大変で苦痛な仕事であることを思わせる。これらの繰り返しのメッセージは、最終的に母乳育児を思いとどまらせる可能性がある」と研究者はコメントしている。
出典は『公衆衛生栄養』。 (論文要旨)
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