2021.9.10
, EurekAlert より:
特別な栄養素の高い摂取が、高齢者の脳の鉄濃度の低下とより良い認知機能に関連しているようだ、という米国ケンタッキー大学からの研究報告。
研究チームは、61歳から86歳までの健康な高齢者73名を対象に栄養摂取量、脳の鉄分、および認知能力の関係を評価した。作業記憶のパフォーマンスを定量化するためのコンピューター評価、栄養情報を取得するためのアンケート、脳組織の鉄濃度を測定するための定量的感受性マッピングと呼ばれるin vivo MRI技術など、さまざまな方法が用いられた。
その結果、以前に発表された研究と一致して、年齢の上昇がより高いレベルの脳の鉄濃度とより低い作業記憶能と関連していることが示されたという。
けれども、ナッツ、大豆、オリーブオイル、魚に一般的に見られる栄養素(ビタミンE、リジン、DHAオメガ3、LAオメガ6 PUFAなど)の食事摂取量が多い高齢者は、脳の鉄分が少なく、作業記憶のパフォーマンスが年齢から予想されるよりも良い傾向がみられた。
「我々の結果は、これらの栄養素が高齢者の脳内鉄沈着と認知機能低下に対する保護を提供する可能性があることを示唆している」と筆頭著者のヴァレンチノ・ザッシャリオ博士はコメントしている。
出典は『加齢の神経生物学』。 (論文要旨)
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