2021.7.19
, EurekAlert より:
我々の脳は、健康情報を考慮するのが、味覚情報を処理するのに比べて遅過ぎるようだ、という米国デューク大学からの研究報告。
研究チームは、平均24.4歳の若年成人79名を対象に4時間の絶食後、スナック食品を提示され、その美味しさ、健康度、欲求度を評価するように求められた。次に、食品のペアを提示され、どちらかを選択してもらい、その速さを記録した。
実験の結果、参加者は、意思決定プロセスの早い段階で味覚情報を組み込むことがわかったという。組み込みには平均400ミリ秒かかった。けれども、健康度を判断する情報を組み込むのには、その2倍の時間が必要だった。
事前に健康的な食事を強調するパンフレットを受け取ると、不健康なスナックを選ぶ可能性が低下した。また、選択に時間をかけると、より健康的なものを選ぶ傾向が高まった。
「家の購入や大学進学など、すべての決定が迅速に行われるわけではなく、そうした選択には時間がかかる。けれども我々が日常生活で下す決定の多くは、スーパーでの食品選択やオンラインでのクリックなど素早く行われるものが多い」と共同研究者のスコット・ヒュッテル教授はコメントしている。
「人々が健康的な選択をより容易に行えるように環境を設定する方法があるかもしれない。」
出典は『ネイチャー人間行動』。 (論文要旨)
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