2021.2.4
, EurekAlert より:
成人期を普通体重(BMI25未満)で開始し、後年に太り過ぎ(過体重BMI25-30未満)に移行するが、肥満(BMI30以上)にならない人が、最も長生きする傾向がある、という米国オハイオ州立大学からの研究報告。
このカテゴリーの成人は、BMIが生涯を通じて普通範囲にとどまっている成人よりも長生きだったという。成人期を肥満で開始して、体重を増やし続けた人の死亡率が最も高かった。
研究チームは、フラミンガム心臓研究のオリジナルのコホート4,576人とその子供たち3,753人のデータを解析した。フラミンガム研究は1948年に始まり、2010年まで参加者を追跡した。子供たちは1971年から2014年まで追跡された。
オリジナルコホートのメンバーはほとんどすべてが研究の終わりまでに死亡していたので、結果はBMIが成人期全体にわたってどのように変化するかを明らかにし、肥満が死亡率にどのように関連しているかについての以前の研究よりも正確な推定を提供できると研究者は述べている。
両方の世代で、研究者は31-80歳のデータを調べた。主な測定値はBMIとした。これは、人の身長と体重に基づいており、人を低体重(BMI22未満)、普通体重(22-25未満)、過体重(25-30未満)または肥満(30以上)に分類するために使用されている。
研究チームが、参加者のBMIの経年変化を分析したところ、7つの軌跡に分けられることを発見したという。
喫煙、性別、学歴、婚姻状況、病気など死亡率に影響を及ぼす種々の因子を調整した結果、両方の世代とも、普通体重で始まり、後年に過体重に移行したが、肥満にはならなかった人の死亡率が最も低いことが明らかになった。
次いで死亡率が低かったのは、生涯を通じて普通体重を維持した人、そして過体重を安定して維持した人の順だった。
「体重増加が死亡率に与える影響は複雑だ。体重増加のタイミングと大きさ、およびBMIがどこから始まったかによって異なる」と研究者はコメントしている。
出典は『疫学年報』。 (論文要旨)
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