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[子供]  子育て参加がパパのメンタルヘルスに良い影響を与える
2020.9.24 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

父親が育児に参加することは、子どもが産まれて最初の1年間の父親自身の抑うつ症状経験リスクの低下と関連しているようだ、という研究報告。

この研究は、米国の5地点に住む881人の低所得者層に属する多様な民族・人種の父親を対象としたインタビュー調査。研究者らは子どもの誕生から1ヶ月後、参加者の社会的特性とともに、子育てに関する指標として、父親が子供と過ごす時間、子育てにおける自己効力感、乳児に対する物質的支援の3項目を調べた。父親の抑うつ症状は、子供の出生後1、6、12ヶ月後に、エジンバラうつ病スケールによって評価した。

この結果、子育てに関する3項目のすべて-子どもと過ごす時間が長くなり、自己効力感が向上し、物質的支援を提供する能力があること-が、父親の1年後の抑うつ症状発症率の低下と関連することが明らかになった。また、参加者全体の臨床的なうつ病を示す症状の有症率は、子供の出生から1ヶ月後で10%、6ヶ月後で15%、12ヶ月後で12%であり、3つのうち自己効力感のみが臨床的うつ病のリスク低下と関連していた。

「出生の直後から乳児と関わりを持つ父親は、1年後にうつ症状を生じる可能性が低いことがわかった。」と、研究の筆頭著者であるカリフォルニア州立大学心理学部のオラジド・N・バーミシビン助教授は話す。「我々は、父親がより育児に参加することがうつ症状の低下につながるいくつかの理由を示唆した。たとえば、乳児期により深い関わりを持った父親は、親としての力があると感じ、その役割に満足し、これが抑うつ症状の発症リスク低下に寄与している可能性がある。」

この研究は様々な人種・民族的背景をもつ低所得者層の父親に焦点を当てた最初の大規模調査の一つであり、子どもの出生後の父親の幸福度を詳細に調査する道を切り拓いている。先行研究は父親の育児関与について、母親や子供に焦点を当てた因子のアウトカムまたは予測因子として着目していたが、今回の研究では初めて、父親の子育て参加と、その後1年間の父親自身の抑うつ症状の関連が明らかにされた。

「家族に関する研究者たちは、父親が子供の生活や家族全体の機能において果たす重要な役割について、ますます認識するようになっている。」とバーミシビン氏は語る。「父親の健康について深い関心を持つ研究者として、我々はこの成長しつつある研究分野の一員であることに喜びを感じる。」

今回の研究結果は、父親の育児参加の寄与因子、早期からの育児参加の効果、父親の自己効力感とうつ病の関連、さらに父親と母親のうつ病の関連に関する今後の研究において、重要な意味をもつ。研究者らは、これらや関連する因子を深く理解することが、父親の役割に期待し、新たな政策を設計するのに役立つ可能性があることを強調している。

「我々の研究では、早期により育児に参加しているほど、後のうつ症状の発症が少なくなる関連が見られた。これは、父親が早期から高い頻度で育児に参加しているほど、父親の精神的健康、さらには家庭全体の健康状態が良くなる可能性を示唆しており、非常に重要である。」とバーミシビン氏は話す。

「これが、経済的な懸念なく父親が子育て参加の機会と自信を得るために役立ち、より健康的で繁栄した未来の世代を形成するのに貢献する機会を父親たちに与えることができる有給の父親育児休暇を推進する政策を提案する理由である。これによって、家庭全体の幸福度が向上するだろう。」

出典は『精神医学の最前線』。 (論文要旨)      
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