2020.9.14
, EurekAlert より:
乳児の腸内細菌叢に母乳の栄養素が及ぼす影響を、マウスを用いた新しい画像処理技術によって明らかにした、という米国コーネル大学からの研究報告。
研究チームは、画像処理技術によって、スフィンガニンと呼ばれるヒト母乳に多く含まれる栄養素をマウスに与え、それを取り込む微生物を赤く、それ以外の微生物を青くする方法を開発した。
そして、スフィンゴ脂質を代謝する2種類の腸内細菌(バクテロイデスとビフィズス)を同定したという。バクテロイデスは、有益な効果とそれほど有益でない効果の両方に関係しているが、ビフィズスは市販プロバイオティクスとしても人気のある、極めて有益な細菌である。どちらも母乳育児で育った乳児の腸内細菌叢に豊富に見られることが知られている。
「我々は食事と腸内細菌叢がどのように相互作用するかとても興味がある。本研究では、母乳哺育児の食事の大部分を占めるこれら食事性脂質が、腸内細菌叢ときわめて強力に相互作用していることが明らかになった」と研究者はコメントしている。
出典は『脂質研究雑誌』。 (論文要旨)
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