2020.9.3
, EurekAlert より:
ルールや推奨事項に否定的な反応を示す人々ほど、医師に対する信頼感が低く、自身や子供のワクチン接種に否定的だったり、補完代替医療を選択する傾向にあるという。フィンランド・トゥルク大学などの研究。
この研究では、770人の若い親を対象に「リアクタンス特性」の強さを評価し、それがワクチン接種の決定、ワクチンに対する姿勢、補完代替医療の利用に影響するかどうか、またそれらは医師への信頼度に関係するかを調べた。リアクタンス特性とは、強制や高圧的説得に抵抗し、自らの自由を回復しようとするような傾向性をいう。
「公共機関によるワクチンの推奨や、ワクチン接種を受けるべきとする社会的圧力は、何かを強制されたり、誰かが彼らを説得しようとしていると感じたときに否定的に反応する傾向のある人々に反抗を生じさせる可能性があります」とトゥルク大学研究員のソベリ氏は述べている。
リアクタンス特性が強い人は、期待されていることと正反対の行動をとるかもしれないという。
「この場合、反抗は医師に対する懐疑論やワクチンに対する否定的な態度、あるいはワクチンの拒否につながる可能性があります」。
本研究は、リアクタンス特性は医師への不信感につながり、ワクチンへの否定的な態度や補完代替医療(CAM)を利用する可能性の高さに関連していることも示した。CAMとは、根拠に基づく医療には含まれない治療法や物を指し、例えば鍼灸・マッサージ・健康食品やサプリメントなどがこれにあたる。
「補完代替医療を利用することによって、自分の健康問題について自由に意思決定できるように感じるのかもしれません」とソベリ氏。
親たちの半数は、前シーズンにインフルエンザワクチンを接種していたほか、子どものワクチン接種についてもためらうことがなかったとする親が約75%であったが、約7%は少なくとも1回は子どものワクチンの接種を拒否していた。
「10人中9人の親は、正確な診断を下す医師の能力を部分的または完全に信頼しており、医師は健康に関連する決定を下すときに患者の最善の関心を持っていることを信じています」とソベリ氏は述べている。
出典は『プロスワン』。 (論文要旨)
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