2020.7.17
, EurekAlert より:
深赤色光を1日3分間見つめると、視力の低下を大幅に改善できるようだ、という英国ユニバーシティカレッジロンドンによるヒトを対象にした初めての研究報告。
研究チームは、この発見が、手頃な価格の新しい家庭用眼科治療の幕開けを告げるものであり、自然に視覚が衰えていく世界中の何百万もの人々の助けになると信じているという。
「網膜感度と色覚はどちらも徐々に損なわれ、人口の高齢化に伴いますます重要な問題となってきている。この衰退を食い止めるか逆転させるために、我々は網膜の老化細胞を長波光の短いバーストで再起動しようとした」と主任研究者のグレン・ジェフェリー教授は述べている。
この研究は、マウス、マルハナバチ、ショウジョウバエを用いた先行研究に基づくものであるという。それらすべてにおいて、眼の670nmの深赤色光への曝露が網膜の光じゅようたいの機能を有意に改善したことが報告されていた。
研究チームは、28-72歳の男性12人女性12人を対象に検討を行った。参加者は、家に持ち帰るための小さなLEDトーチが与えられ、1日3分間、2週間にわたって、その深い赤色の670nm光線を見つめるように求められた。
670nmの光線は、若い参加者には影響を及ぼさなかったが、40歳以上の参加者では、有意な改善が観察されたという。
出典は『老年学雑誌: 生物科学』。 (論文要旨)
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