2020.7.16
, EurekAlert より: 
植物性たんぱく質を豊富に摂取することと、総死亡率および心血管疾患による死亡率の低下には有意な関連がみられたという。この関連は、喫煙や糖尿病の有無などの因子の影響を考慮しても変わらなかったとのことだ。米国立がん研究所の研究。
最近、総体的な健康に対する高たんぱく質食の重要性が強調されているものの、たんぱく質源、大まかに分ければ植物性たんぱく質/動物性たんぱく質の摂取に関連する長期的な原因別死亡率の包括的な分析は報告されていない。そこでこの研究では総死亡率と原因別の死亡率および植物性たんぱく質の摂取量との関連を調べることにした。
方法としては、米国国立衛生研究所が1995年から2011年までの16年間に渡り男女41,6104人を対象に行った前向きコホート研究「Health-AAAダイエットおよび健康研究」のデータを分析した。
結果、最終的な分析コホートには、237,036人の男性(57%)と179,068人の女性が含まれていた。年齢の中央値は、男性で62.2歳、女性で62.0歳だった。6,009,748人年の観察に基づき、77,614人の死亡(18.7%:男性49,297人 女性28,317人)が確認された。
いくつかの重要な臨床的およびその他の危険因子による調整を行うと、植物たんぱく質の摂取量の増加は男女ともに全体的な死亡率の低下に関連していた。植物性タンパク質の摂取量と全体的な死亡率との関係は、喫煙状態、糖尿病、果物の消費、ビタミン剤の使用、自己申告による健康状態を考慮しても同様にみられた。
総摂取エネルギーのうち3%を、動物性たんぱく質から植物性たんぱく質に置き換えると、総死亡率が低下し(リスクは男性と女性の両方で10%低下)心血管疾患の死亡率が低下(男性で11%、女性で12%リスク低下)していた。特に、総動物性たんぱく質から植物性たんぱく質への置換によって死亡率が低下した度合いは、主に卵のたんぱく質(男性で24%、女性で21%)と赤身肉のたんぱく質(男性で13%、女性で15%)で高かった。
今回の大規模な前向きコホートでは、植物性たんぱく質の摂取量が増加するにつれ、総死亡率および心血管疾患による死亡率がわずかに減少した。このことから、食事中のたんぱく質源を変えることで健康と寿命に影響を与える可能性がある、という証拠を提供された。
出典は『JAMA内科学』。 (論文要旨)
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