2020.7.10
, EurekAlert より: 
COVID-19で隔離された伊ヴェネト州パドヴァ県のコムーネのひとつであるヴォーでほぼ全ての住民を検査した結果、感染者の40%が無症状だった、という伊パドヴァ大学と英国インペリアルカレッジロンドンからの研究報告。『ネイチャー』誌に発表。
研究チームは、無症候性または発症前の患者がCOVID-19感染の重要な因子であることを示唆している。また広範囲の検査、患者の隔離、都市のロックダウンはアウトブレイクを止める上で効果的であるとしている。
ヴォーは人口が約3,200人でイタリアで最初のCOVID-19による死者を2020年2月21日に経験した町である。町はただちに14日間のロックダウンに入った。この間、研究チームは、住民の大部分についてSARS-CoV-2感染を検査した。これはCOVID-19を起こすウイルスである。検査は、ロックダウン開始時(86%を検査)と2週間後(72%を検査)に実施された。
その結果、ロックダウン開始時にはSARS-CoV-2陽性者は73人(2.6%)であり、2週間後には29人(1.2%)まで低下した。
この結果はまた、ウイルスが感染者の身体から平均9.3日(範囲8-14日)で消失することも示している。
今回、子供のいる家庭での感染も複数あったにも関わらず、10歳以下の子供の陽性者はいなかった。家族が感染者の場合、成人は陽性率が高かったことと対照的であるという。
このような大規模検査の結果によって、数週間のロックダウンでも効果的にウイルスの蔓延を遅くできることが明らかになった。
「ヴォーの研究は、早期の感染クラスターの同定と、発症者、無症状者両方のタイムリーな隔離が早期における感染増加を抑制できることを証明するものだ。これは特に、新たなクラスターが次々に発見され、第二波への懸念が心配される今、重要なことであろう」と共同研究者でインペリアルカレッジロンドンのイラリア・ドリガッティ博士はコメントしている。
出典は『ネイチャー』。 (論文要旨)
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