2020.7.9
, EurekAlert より: 
家族性高コレステロール血症の人は、低脂肪食ではなく、低炭水化物食を摂るべきかもしれない、という米国サウスフロリダ大学からのレビュー報告。『BMJ根拠に基づく医療』誌に掲載。
数十年にわたり、家族性高コレステロール血症と診断された人々は、飽和脂肪の消費を最小限に抑えてコレステロールを下げ、心臓病のリスクを減らすように指示されてきた。しかし、今回発表された新しい研究では、これらの主張を裏付ける証拠は見つからなかったという。
家族性高コレステロール血症は、コレステロール値が平均的な人の2-4倍になる遺伝性疾患である。米国心臓協会などでは、飽和脂肪酸の多い、肉、卵、チーズや、ココナッツ油を避けることを提案している。けれども、5人の心臓専門医を含む、心臓病と食事に関する専門家の国際研究チームは、家族性高コレステロール血症の人々のための食事ガイドラインをレビューした結果、健康の専門家が低飽和脂肪食を勧める正当な理由を見つけることができなかったという。
「過去80年間、家族性高コレステロール血症の人々は低飽和脂肪食でコレステロールを下げるように言われてきた」とデビッド・ダイアモンド博士は述べている。「我々の研究では、より「心臓に健康的」な食事は、飽和脂肪ではなく糖分の少ない食事であることが示唆された。」
研究チームによれば、低炭水化物食は、肥満、高血圧、糖尿病などの心疾患のリスクの高い人々に最も効果的であるようだ。この結果は、制限すべきはトロピカルオイルや動物性食品ではなく、パン、ジャガイモ、すいーつなどの血糖値を上昇させる食品をこそ最小限にすべきであるというエビデンスを提供する、最近『米国心臓病学会雑誌』に発表された別の論文とも一致しているという。
出典は『BMJ根拠に基づく医療』。 (論文要旨)
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