2020.6.26
, EurekAlert より:
ブラジル・サンパウロ研究財団は、短期間の不活動が心血管系に及ぼす影響についての科学的根拠をレビューしたパースペクティブ。パンデミック中も自宅で運動することを推奨している。
研究チームは、先行研究のレビューによって、短期間身体活動をしないことが心血管系に及ぼす影響についてのエビデンスをまとめた。それらの研究の幾つかでは、1-4週間の不活動が、心委縮と末梢血管の大幅な狭窄につながる可能性を示唆しているという。
筆頭研究者のチアゴ・ペサーニャ博士は、これらの文献は過激なモデルであって、実際にこのロックダウンで起きていることではないことを強調している。「とはいえ、他の実験も似通ったものである。」
実験のひとつでは、参加者は1週間にわたった歩行数を1日5千歩未満にすることを求められた。その結果、上腕静脈の直径が減少し、血管の伸縮性が失われ、血管内皮に障害が起きたという。
また別の実験では、参加者は、期間中3-6時間ソファに座っていることを求められた。これだけの不活動でも血管に変化を起こさせるのに十分であり、炎症指標は上昇し、食後血糖値も上昇したという。
非活動状態が長引くことは、心血管疾患や、糖尿病、高血圧、肥満、がんなどのその他の慢性的な健康問題を抱えている人にとって特に有害であるという。高齢者では、筋肉量の減少(サルコペニア)を悪化させ、転倒、骨折、その他の怪我のリスクを高めることもある。
「科学的根拠は、家庭で運動することが安全であり、効果的に血圧を制御し、血中脂質を減らし、体組成、生活の質、睡眠を改善することを示している」とペサーニャ博士は語っている。
出典は『米国生理学雑誌: 心臓循環器生理学』。 (論文要旨)
|