2020.6.16
, EurekAlert より: 
欧州でのロックダウンにおいて、人々はより規則的に眠り睡眠時間は延びたが、睡眠の質は低下したようだ、というスイス・バーゼル大学からの研究報告。
研究チームは、2020年3月23日から4月26日にかけて6週間のオンライン調査で、COVID-19パンデミックを抑制するために実施された行動制限が、睡眠に及ぼす影響を調査した。スイス、オーストリア、ドイツで合計435人が参加した。回答者の85%以上が、当時自宅で働いていた。参加者の75%が女性だった。
全体として参加者の睡眠は比較的良好だった。調査の結果、社会的リズムの緩み(例えば、より柔軟な労働時間を通じて)から、「社会的時差ぼけ」が減少したことがわかったという。
「これは、睡眠覚醒パターンが、社会的リズムよりも自らの体内時計によってガイドされるようになったことを示唆している」と主任研究者のクリスチーネ・ブルーメ博士は語っている。
参加者の75%が、ロックダウン以前に比べて50分以上長く眠るようになったと報告している。研究チームでは、これはひとつには、労働者の朝の通勤時間がなくなったためだろう、としている。
けれども、この「社会的時差ぼけ」の減少は、自覚される睡眠の質の改善には結びついていなかった。逆に、参加者の多くが、ロックダウン中には睡眠の質が実質的に悪化したと報告した。
これはそれほど驚くようなことではなく、この未曽有の事態が非常な重荷になっているためだ、とブルーメ博士は語っている。
「我々の知見によれば、アウトドアでの身体活動が睡眠の質の低下を相殺できることが示唆されている」とブルーメ博士はコメントしている。
出典は『最新生物学』。 (論文要旨)
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