2020.5.19
, EurekAlert より:
新しく同定された「代謝サイン」は、地中海型食生活への順守度と代謝応答を評価することができ、将来の心血管疾患の発症リスクを予測する助けになる、という米国ハーバード大学からの研究報告。
この代謝サインは、代謝によって血液中を循環する67種の代謝物からなるもので、採血して測定する。
研究チームは、スペインのPREDIMED研究の参加者1,859名から得た血液検体に含まれる数百の代謝物を分析するために機械学習モデルを用いた。
機械学習モデルは、67種の代謝物を、地中海型食生活を個人が順守しているかどうかを判別するものとして同定した。
この研究では、代謝サインのレベルが高いほど、PREDIMEDの研究参加者の心血管疾患の長期リスクが低いことも明らかにされた。伝統的な心血管疾患のリスク因子を考慮した後でも、代謝サインは心血管疾患の長期的なリスクを予測するのに効果的だったと研究チームは述べている。
研究チームはさらに、米国の看護師健康調査と看護師健康調査II、医療専門職追跡調査から、6,868名の血液中の代謝サインを測定して検証し、地中海型食生活の順守度と心血管疾患のリスクを代謝サインによって同定することが可能であり、スペインと米国という生活習慣や環境が異なる集団間で高い再現性がみられたことを記している。
「代謝サインが食事と心血管疾患リスクの対する個人の代謝反応を反映していることを考えると、代謝サインが個別の栄養介入を促進するのに役立つ可能性がある」と筆頭研究者のジュン・リー博士はコメントしている。
出典は『欧州心臓雑誌』。 (論文要旨)
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