2020.5.18
, EurekAlert より:
短期間、低温にさらされると、褐色脂肪のある人は無い人に比べてエネルギー消費を15%増になる可能性が明らかになった。オーストリア・ウイーン医科大学の研究。
白色脂肪とは異なり、褐色脂肪は脂肪酸の酸化と熱産生によってエネルギーを燃焼させ、肥満の蔓延との闘いにおいて有望な標的になる考えられている。褐色脂肪を最も活性化させるのは、中程度の低温にさらされることだ。
「このデータは、褐色脂肪が人間においてどのように機能するかについての理解を向上させます」と、著者のひとりキーファー博士は述べている。「活性化した褐色脂肪のある人は、ない人よりも20kcal多く消費することがわかりました」
研究チームは実験対象者にPET検査を行い、活性化した褐色脂肪を持つ人・持たない人の2群に分けた。そして全員に短期間低温下で過ごしてもらい、その前後で、各人の褐色脂肪の機能とエネルギー消費を分析したところ、活性化した褐色脂肪を持つ群は、より多くのエネルギーを燃焼するだけでなく、血中の脂肪酸プロファイルがより健康的であることがわかった。
「私たちは、褐色脂肪が代謝性疾患や心血管疾患から人々を守ることができるかどうかを確認するために、この組織をより詳細に研究する必要があります」とキーファー博士は話している。
出典は『臨床内分泌学・代謝雑誌』。 (論文要旨)
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