2020.5.14
, EurekAlert より:
デンプン質の野菜と思われているジャガイモが、実は筋肉維持を助ける高品質のたんぱく質源かもしれない、というカナダ・マクマスター大学からの研究報告。
研究チームは、1日推奨摂取量(0.8gたんぱく質/kg体重)を摂取している20代前半の女性24名(平均21歳)を対象に検討を行った。
対象をランダムに2群に分け、2週間にわたって、1群(12名)には単離ジャガイモたんぱく質を追加して、1日摂取量が推奨量の2倍(1.6g/kg/d)になるようにし。別の1群(12名)にはプラセボを与えた。
その結果、追加のジャガイモたんぱく質を摂取した女性は、筋肉において新しいたんぱく質を生成する速度が増加したが、プラセボ群においてはそうでなかったことがわかったという。
「これは、我々が予期していなかった興味深い発見だったが、若い女性のたんぱく質推奨量が、筋肉維持をサポートするには不十分であることを示唆するものでもある」と筆頭研究者のサラ・オイカワ博士は語っている。
もっとも興味深いことは、動物由来のたんぱく質よりも品質が低いと一般的に考えられている植物由来のたんぱく質がそのような有益な効果をもたらすことができたということだろう、と研究チームは述べている。
研究チームは、レジスタンストレーニング(RE)の影響を研究するために、両群の女性に、片脚だけREをしてもらった。
「この方法は少し意外かもしれないが、同じヒトの中で運動の効果を見ることができる」と主任研究者のスチュアート・フィリップ教授は述べている。彼はたんぱく質と運動の第一人者であるという。
ただ、結果として、REを実施した脚では、ジャガイモたんぱく質の摂取には効果が認められなかったという。運動の筋肉増強効果は大きく、たんぱく質摂取の効果はそれに比べると非常に小さかったので、対照群との差がみられなかったのだという。
「言い換えると、運動は新しい筋肉たんぱく質を作るための強力な刺激であるということだ」とフィリップス教授は語っている。
「本研究は、植物由来のたんぱく質でも筋肉を維持できる証拠を供給するものだ」とオイカワ博士は言う。「今後、植物ベースのたんぱく質源についての研究がさらに進むと思う。」
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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