2020.5.12
, EurekAlert より:
加齢で筋肉が減少した高齢男性は糖尿病の発症リスクが高まるが女性は違うようだ、という米国ジョンホプキンズ大学からの研究報告。
64歳以上の成人の4人に1人は糖尿病であるという。骨格筋は体内で最大のインスリン感受性組織であり、血糖値の調節に重要な役割を担っている。したがって、サルコペニアと呼ばれる加齢に伴う筋肉減少は、高齢者の糖尿病発症に寄与している可能性があるという。
研究チームは、ボルチモア加齢縦断研究の参加者で平均年齢60歳の男性871名と女性984名を15年間追跡調査した。参加者はDXA法によって全身の筋肉や脂肪量を測定され、男性では加齢による筋肉減少が、糖尿病の発症リスクの増加と関連しているが、女性では関連していないことを発見した。
「高齢者の加齢に伴う筋肉損失は、高齢者の糖尿病予防介入研究の対象者としての十分に認識されていない」と筆頭研究者のリタ・カリアニ医師は語っている。
「我々は加齢により比較的筋肉量が少ないことが、男性では糖尿病の高い発症率と関連していることを発見した。女性にはみられなかったが、その理由の一部は身体のサイズにあるのではないだろうか。」
出典は『内分泌学会雑誌』。 (論文要旨)
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