2020.5.1
, EurekAlert より:
深緑色野菜入りの市販ベビーフードは、果実ピューレで甘く味付けされ、しばしば深緑色野菜を殆ど含まないことが多いようだ、という米国ペンシルバニア州立大学からの研究報告。
主任研究者のジョン・ヘイエス准教授によれば、深緑色野菜の味がしないのは問題だという。乳幼児がブロッコリ、ホウレンソウ、芽キャベツ、ケールなどの味を学ぶことができないため、成長してからそれらを食べたがらなくなるからであるという。
「他の研究が示しているのは、幼い子供たちは野菜の味に触れてそれを好きになることを学ぶ必要があるということだ」とヘイエス准教授は言う。「それが本当なら、今回の研究は重要だ。なぜなら現行の市販製品はその必要性を満たさないからだ。野菜の味が隠されてしまっているのである。」
野菜は重要な食材だが摂取量がいつも足りないといわれる食材でもある。野菜を好きにさせることは、子供たちが長い人生を健康な食事パターンで過ごす助けになる、とヘイエス准教授は言う。
ヘイエス准教授によれば、子供たちが深緑色野菜を食べそれを好きになってほしいと願う親たちは、ベビーフードの食品ラベルに惑わされている。「親が自分でそれを食べない限り、表示ラベルからそれは野菜の味がするものだと信じるだろう。」
研究チームが最近行った別の調査では、米国の市販ベビーフード製品には、深緑色野菜だけを含む製品がなく、果物や赤橙色野菜などと混合されて甘さを増したものしかなかった。
今回研究チームは、21種の市販深緑色野菜含有ベビーフードと研究チームが調製した1種のベビーフードの官能試験を、11人の経験豊富な成人パネリストを対象に実施した。
その結果、果物を含む製品は含まない製品よりも甘いだけでなく、果物のフレーバーが勝っていて野菜のフレーバーが低いことが明らかになった。官能プロフィールは、成分リストの第一もしくは主要な成分に左右されており、深緑色野菜を第一に含む製品はほとんどなかったために、深緑色野菜のフレーバーがする製品もまたほとんど存在しなかったという。
「市販乳児用野菜食品の官能プロフィールは、深緑色野菜の受け入れを促進するには十分ではない可能性がある」と筆頭研究者のアリッサ・バッケはコメントしている。
出典は『食欲』。 (論文要旨)
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