2020.4.2
, EurekAlert より:
母乳の成分が、未熟児の感染によって起こる生命に関わる敗血症から保護する可能性がある、という米国セントルイス・ワシントン大学とメイヨークリニックからの研究報告。
遅発性敗血症は早産の非常に重要な合併症であり、生後72時間後に得られた陽性の血液培養によって定義される。コホート研究により、メカニズムは不明だが母乳哺育の早産児では遅発型敗血症のリスクが低下することが示唆されていた。
今回研究チームは、マウスを用いて、病原体播種による腸に由来する遅発型新生児敗血症の動物モデルを開発したという。
新生児マウスに、出生まもない遅発性敗血症患者の血液から分離された病原性大腸菌を含む溶液を投与した。その後、新生児マウスに自分の母親または、少し前に自分の子供を出産した別の母親の母乳(EGF濃度が低下している)を投与した。
その結果、仔マウスの母乳由来の上皮成長因子(EGF)の減少が、腸内の病原性大腸菌の転座と相関していることを発見したという。
母乳中のEGFは、腸細胞の受容体を活性化して、病原性大腸菌が血中に流入するのを食い止めるようだ。
「この研究の重大なメッセージのひとつは、未熟児には可能であれば母乳を与えるべきだということだろう」とロドニー・ニューベリー教授はコメントしている。
出典は『国立科学アカデミー論文集』。 (論文要旨)
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