2020.3.27
, EurekAlert より:
血中ビタミンD濃度の高い高齢者は、股関節骨折後の歩行が早まる可能性が高いようだ、という米国ラトガー大学からの研究報告。
股関節骨折は転倒に伴う最も深刻な障害であり、多くの人は自立生活が困難になる。歩行能力の回復は、完全な回復と死亡リスクの低下のためのきわめて重要なステップである。
研究チームは、290名の股関節骨折患者(平均年齢82歳、73%が女性)について検討した。
血中ビタミンD濃度12ng/mL未満の患者に比べて、12-20ng/mL未満の患者が30日後に歩行している可能性は2.61倍、20-30ng/mL未満の患者では、3.48倍高かった。
ビタミンD欠乏(12ng/mL未満)は、股関節骨折手術後の歩行を著しく遅らせるようだ、と研究チームは結論付けた。
「先行研究によれば、ビタミンDは多過ぎても少なすぎても転倒リスクを増やすようであり、注意が必要だ」と研究者はコメントしている。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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