2020.3.16
, EurekAlert より:
米国サザンカリフォルニア大学主導の研究は、しゃがんだりひざまずいたりすることが、人間の進化において、そして現代の人間の健康にとっても、重要な休息姿勢である可能性を示している。
座位中心行動の進化をよりよく理解するために、研究チームはタンザニアの狩猟採集民グループ(ハッザ族)で非活動性を研究した。ハッザ族は、過去の人間の生活と似た生活習慣を持っている。
本研究のために、ハッザ族の参加者は身体活動と休息時間を測定するデバイスを着用した。研究チームは、彼らが高レベルの身体活動をしていることを発見した。それは、米国の運動ガイドラインで勧告されている1日22分の3倍以上だったという。
けれども、研究チームはまた、彼らが高レベルの非活動性を持っていることを発見した。
実際、ハッザ族は、先進国の人間とほぼ同じ時間(1日あたり約9-10時間)座位中心行動をとる。けれども、ハッザ族は、工業化社会に見られる長期間座位行動に関連する慢性疾患のマーカーを欠いているようだ。このギャップの理由は、ハッザ族がどのように休むかにあるのかもしれないようだ。
「長時間の無活動があったにもかかわらず、気付いた重要な違いの1つは、ハッザ族がしばしばしゃがんで、またはひざまずいて、軽いレベルの活動を維持するために筋肉を必要とする姿勢で休んでいることだ」と主任研究者のデビッド・ライクレン教授は言う。
活動と非活動を追跡することに加えて、研究チームは特殊な装置を使用して、さまざまな安静時姿勢で下肢の筋肉活動を測定した。しゃがむことは座ることと比較してより多くの筋肉活動を伴った。
研究チームは、ハッザ族はしゃがんで膝をついており、休んでいないときは高いレベルの動きがあるため、1日を通して筋肉活動がより安定している可能性があると示唆した。これにより、座位中心行動に関連する健康上のリスクを減らすことができるようだ。
「しゃがむようにと言うわけでないが、少なくともある程度の低レベルの筋肉活動を必要とする姿勢により多くの時間を費やすことは我々の健康に良い可能性がある」と研究者はコメントしている。
出典は『国立科学アカデミー論文集』。 (論文要旨)
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