2020.3.13
, EurekAlert より:
オメガ-3系脂肪酸の摂取はがんの予防につながらないかもしれない、という英国イーストアングリア大学からの研究報告。
2件の系統的レビューが、オメガ-3系脂肪酸のサプリメントの摂取は、わずかに冠動脈疾患の死亡率を低下させるが、わずかに前立腺がんのリスクを高めることを発見したという。どちらの影響も小さなものだった。
研究チームは、がんではないが、がんリスクの高いまたは以前にがんの診断を受けた成人を対象にした47件の臨床試験と、心血管系事象または死亡のエビデンスをもたらす86件の臨床試験を解析した。
研究には、1年にわたってランダムにより多くの長鎖オメガ-3系脂肪酸(魚油)を、または通常の食事を、摂取した10万人以上の参加者が含まれていた。
データ解析の結果、長鎖オメガ-3系脂肪酸の摂取は、がん診断、がん死、乳がん診断に影響がみられなかった。また長鎖オメガ-3系脂肪酸の摂取は、前立腺がんリスクをわずかに上昇させた。
オメガ-3系脂肪酸サプリメントの摂取は、心血管系疾患のリスクがわずかに減少する可能性のあることがわかった。
「これらのエビデンスはサプリメント摂取から得られたものであるため、オメガ-3系脂肪酸の豊富な供給源である油性の魚の健康への影響は不明である。油性の魚はバランスのとれた食事の一部として非常に栄養価の高い食品であり、たんぱく質、カロリー、セレン、ヨウ素、ビタミンD、カルシウムなどの重要な栄養素が含まれている」と研究チームはコメントしている。
出典は『英国がん雑誌』。 (論文要旨)
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