2020.2.10
, EurekAlert より:
カロリーの99%を脂質から1%を炭水化物から摂取するケト(ジェニック)ダイエットは、短期的には健康効果がありそうだが、1週間を超えると副作用がでるようだ、という米国イェール大学からの動物実験の報告。
ケトダイエットは欧米のセレブの間で流行中であるというが、研究チームは、このダイエットが組織を保護し糖尿病と炎症のリスクを低下するガンマデルタT細胞と呼ばれる免疫細胞に関連したポジティブとネガティブ両方の効果を持つことを発見したという。
ケトダイエットは体脂肪を燃焼させる、と主任研究者のヴィシュワ・ディープ・ディキット教授は述べている。食事中の炭水化物含量が少ないせいで体内のグルコースレベルが低下すると、身体は飢餓モードに入り(でも実際には飢餓状態ではない)、炭水化物の代わりに脂肪の燃焼を始める。この過程でケトン体と呼ばれる燃料代わりになる化学物質が生成する。身体がケトン体を燃焼させるとき、組織保護的ガンマデルタT細胞が全身に展開する。
「これが糖尿病リスクと炎症を低下させ、身体の代謝を改善する」とディキットは言う。「1週間ケトダイエットを続けると、マウスは血糖値と炎症の低下を示す。」
けれども、身体がこの「飢餓・非飢餓」モードにあると、脂肪貯蔵が脂肪分解と同時に起きることを研究チームは発見した。
「1週間を超えてマウスが高脂肪低炭水化物食を食べ続けると、彼らは燃やせる以上の脂肪を摂取し、糖尿病と肥満を発症する」とディキットは述べている。
「彼らは脂肪中の保護的ガンマデルタT細胞を失う。」
「ヒトの健康利益のためのダイエットの理想的な長さが研究目的だったら、ケトダイエットが短期だけ良いことを発見したのはとても良いニュースだろう。だれも永遠にダイエットを続けたいとは思わないだろうから」と筆頭研究者のエミリー・ゴールドバーグ博士はコメントしている。
出典は『ネイチャー代謝』。 (論文要旨)
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