2020.1.28
, EurekAlert より:
テストステロン欠乏症と診断された男性の多くが、テストステロンレベルを高めるために減量を勧められるが、ある種のダイエット、特に低脂肪ダイエットは、少しのけれども有意なテストステロン低下をもたらすようである。米国シカゴ大学の報告。
研究チームは、米国の国民健康・栄養調査(NHANES)から3,100名のデータを解析した。
2日間食歴調査に基づいて解析した結果、14.6%の男性が米国心臓協会(AHA)が定義した低脂肪ダイエットの基準に当てはまり、24.4%が果物、野菜、全粒穀物が多く動物性たんぱく質と乳製品が少ない地中海型ダイエットに当てはまった。低炭水化物ダイエットに当てははまる男性はわずかだったので、このグループは分析から除外された。
全体の平均血清テストステロン濃度は、435.5ng/dLだったが、低脂肪ダイエットと地中海型ダイエットの男性は、各々411ng/dLと413ng/dLだった。
テストステロンに影響する他の因子(年齢、BMI、運動、既往歴)を調整した結果、低脂肪ダイエットは低い血清テストステロン濃度と有意に関連することが明らかになった。地中海型ダイエットはそうではなかった。
全体として、テストステロン濃度が300ng/dL未満の男性が26.8%おり、平均テストステロン濃度の違いにも関わらず、テストステロン濃度のが低い男性の割合はすべてのグループで類似していたという。
テストステロン欠乏症の男性に最適な食事は依然として不明なままであるという。肥満であれば、低脂肪食の健康上の利点がテストステロンのわずかな低下をはるかに超える可能性があるが、逆に太り過ぎではない男性には、低脂肪食を避けることはテストステロンを増やすための多面的アプローチの合理的な要素のひとつであるかもしれない、と研究チームは述べている。
出典は『泌尿器学雑誌』。 (論文要旨)
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