2020.1.20
, EurekAlert より:
妊娠中の肥満は、数年後の子供の発達に影響を与える可能性があるようだ、というコロンビア大学等からの報告。母親が妊娠中、重度の過体重であると、生まれた子が男子の場合、未就学時の運動能力の遅れと7歳時のIQの低さが認められたという。
研究では、1998年から2006年、妊娠後半に登録されたアフリカ系アメリカ人とドミニカ人の女性の前向き低所得コホートからのデータを使用した。神経発達は、子供が約7歳の時、ウェクスラー知能スケールを使用し、測定した。人種、民族性、配偶者の有無、主産時の妊娠年齢、母親の教育歴、母親のIQを調整し、妊娠中のBMI、体重増加と子供の神経発達間との関連を調査したという。
結果は、3歳時の子供の運動能力を測定したところ、妊娠中の肥満は、男児の運動能力の低さと強い関連性が認められたという。さらに、7歳時、男児に比し、女児ではIQが高かった。妊娠中に体重が正常だった母親の男児と比し、妊娠中に過体重、肥満だった母親の男児は、IQテストで5点以上低いスコアだったという。この関連性は、女児では認められなかった。妊娠中の体重増加は、男女とも、IQとは関連性が認められなかった。
今回の結果は、妊娠中の過体重と肥満の有病率の生まれてくる子供の早期の認知機能発達への長期的影響を考えると重要であると述べている。
「印象的な点として、年齢に応じた様々な発達アセスメントを使用しても、これらの関連性は、幼児期、学童期の両方で認められた。これらの影響は、長期にわたって持続することを意味している」とエリザベス・ワイドン准教授は述べている。
出典は『BMC小児科』。 (論文要旨)
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