2020.1.20
, EurekAlert より:
食事制限は、人の孤独感を増すようだ、という米国コーネル大学からの研究報告。
特別な日に友人や愛する人と食事をするとき、食事制限がある人は疎外感を感じることがある。
研究によると、アレルギー、健康上の問題、宗教や文化的規範のために食事が制限されている人は、他の人と別の料理を提供されたときに孤独を感じることがあるという。
「同じ場所にいるにも関わらず、食事制限があると、同じ食事を食べることで絆を築いているグループに入り難いため、他の人との疎外感を感じてしまいます」と研究者らは言う。
7つの実験を通して、研究者らは食事制限は大人、子供関係なく人に孤独感を与えることを発見したという。
本研究では、食事制限が孤独感を増すという最初のエビデンスも提供しているという。例えば、ある実験では、普段は食事制限のない個人に食事制限を経験させると、孤独感が増したという。このような感情が食品の問題ではなくまた好き嫌いによるものでもないことを示唆するものだ、と研究者らは述べている。
「制限食品を取り除くことで、誰かを制限することなくグループの食事に編入することができ、彼らの感覚に影響が出ることを防げます」と研究者らは述べている。
他の例として、ユダヤ人は過越の祭りの際に酵母入りのパンを食べられないので、孤独感が増すという。ただ、その分共同体の結合は強固になる。
研究者らは、食事での絆は本質的に社会的な経験であると指摘している。以前の研究で、見知らぬ人が同じ食べ物を共有するとき、お互いにもっとつながり、信頼していると感じ、同じ皿から食べ物を食べることは見知らぬ人同士の協力を増やすことが報告されている。
しかし、食事の共有が制限されると、人々は「食物の心配」に苦しむ、と研究者らは言う。彼らは自分が何を食べてもいいのか、また他の人にどのように判断されるか心配する。
これは、未婚または低所得者の成人が報告するような孤独感や、英語を母国語としない学童が経験する孤独感よりも強いものであるという。
研究者らは、食物制限と孤独感の高まりには関係があり「肥満流行に関連している可能性がある」と結論付け、さらなる研究を進めている。
出典は『性格心理学及び社会心理学雑誌』。 (論文要旨)
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