2020.1.15
, EurekAlert より:
カフェインが脂肪細胞内の脂質の貯蔵を減らし、体重増加とトリグリセリドの産生を制限することにより、肥満誘発食の悪影響の一部を相殺できることを示唆した、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校からのラットを用いた研究。
マテ茶からの抽出カフェインを摂取したラットは、カフェイン抜きのマテ茶を摂取したラットよりも体重が16%減り、体脂肪が22%減ったことがわかった。その効果は、合成カフェインとコーヒーから抽出されたものと同等だったという。
「研究結果から、マテ茶とカフェインは抗肥満薬とみなすことができます」と、本研究の共著者で、栄養科学部門のディレクターであるエルビラ・ゴンザレス・デ・メヒア教授は語っている。「この研究は、過体重と肥満を防ぐための潜在的な戦略としてのマテ茶とカフェインの役割、およびこれらの状態に関連するその後の代謝障害を理解するもので、人間に応用することもできます。」
作用機序を決定するために、研究チームはマウス由来の培養脂肪細胞を合成カフェイン、コーヒーまたはマテ茶カフェイン抽出物に曝露する実験をおこなった結果、カフェインが脂肪細胞の脂質の蓄積を20%-41%減少させることを発見したという。
肥満と脂質代謝に関連する遺伝子の発現を追跡した結果、すべてのカフェイン処理は、由来に関係なく、脂肪酸合成酵素遺伝子とリポ蛋白リパーゼ遺伝子の両方の発現を有意に低下させた。細胞培養では、合成カフェインまたはマテ茶またはコーヒーのカフェインで処理した細胞で、脂肪酸合成酵素遺伝子の発現が31%-39%減少し、リポ蛋白リパーゼ遺伝子の発現は51%-69%減少した。
マテ茶カフェインを摂取したラットでは、脂肪酸合成酵素遺伝子の発現が脂肪組織で39%、肝臓で37%減少した。
また、肝臓における脂肪酸合成酵素遺伝子および2つの他の遺伝子の発現の低下は、肝臓における低密度リポタンパク質コレステロールおよびトリグリセリドの産生も低下させた。
「マテ茶または他の由来のカフェインの摂取は、高脂肪食、高糖類食の負の影響を緩和することができます」とデ・メヒア教授は語っている。
出典は『機能性食品雑誌』。 (論文要旨)
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