2019.11.18
, EurekAlert より:
ビタミンDとオメガ-3系脂肪酸のサプリメントは2型糖尿病患者が慢性腎疾患を予防する手助けにはならないようだ、という米国ワシントン大学からのこれまでで最大の臨床研究の報告。『米国医学会誌(JAMA)』に発表された。
本研究は、全国規模のVITAL(ビタミンDとオメガ-3トライアル)研究の一部として実施された。研究チームは、1,312名の2型糖尿病患者の成人を対象に、5年間の腎機能の変化を追跡した。参加者は、心血管疾患やがんの明らかな症状がなく、大部分が研究開始時に腎疾患の兆候を示していなかった。
参加者は、腎機能の指標としてeGFR(推算糸球体濾過値)を算出された。ランダムに4群に分けられ、370名はビタミンDとオメガ-3-系脂肪酸(魚油)のサプリメントを、333名がビタミンDと魚油プラセボ(偽薬)のサプリメントを、289名がビタミンDプラセボと魚油のサプリメントを、そして320名が2つのプラセボを毎日5年間摂取した。
平均して腎機能は研究期間中に約15%低下した。機能低下は、4群のいずれにおいても有意な違いは見られなかった。尿中たんぱく質排泄量にも有意な違いは見られなかった。
「VITALトライアルは、これらのサプリメントの全般的なリスクとベネフィットを評価している。腎機能はその重要なパズルのピースである。今回の研究は公衆衛生上の重要な疑問へのカギとなるだろう」と主任研究者のジョアン・マンソン博士は語っている。
出典は『米国医学会誌(JAMA)』。 (論文要旨)
|