2019.10.21
, EurekAlert より:
糖入り飲料の摂取が増加すると、添加した糖か自然に含有される糖かに関わらず、2型糖尿病のリスクが高まる傾向があるようだ、というハーバード公衆衛生大学院等からの報告。
今回の研究は、糖入り飲料の摂取の長期的変化が、2型糖尿病発症リスクと関連するかどうか調査した初めての研究であるという。
研究では、3件の長期的研究(看護師健康調査、看護師健康調査U、医療専門家フォローアップ調査)に参加した男女192,000名以上のデータを使用したという。研究者らは、4年毎に実施された食物摂取頻度調査の結果から糖入り飲料の経時的変化を調査した。
結果は、BMI、その他の食事摂取の変化、ライフスタイル習慣で調整後、総糖入り飲料摂取(糖入り飲料と100%フルーツジュースの両方を含む)が4年間で1日当たり4オンス以上増加すると、その後の4年間の糖尿病リスクが16%増加したという。
また、人工甘味料の摂取を4年間で1日あたり4オンス以上増加すると、糖尿病リスクが18%増加する傾向も認められたという。しかしながら、著者らは、人工甘味料に関する研究結果については、逆の因果関係の可能性(すでに糖尿病リスクの高い者は、糖入り飲料からダイエット飲料に変更している可能性がある)、監督バイアス(ハイリスクの者は、糖尿病のスクリーニングを受ける傾向が高いため、より迅速に診断される)のため、解釈には注意が必要であると述べている。
さらに、この研究では、糖入り飲料1日1杯分を、人工甘味料入り飲料ではなく、水、コーヒー、ティーに置き換えると、糖尿病発症リスクが2〜10%低下したという。
「今回の研究結果は、糖入り飲料を人工甘味料を含まないノンカロリー飲料に置換するという現在示されている推奨事項と一致している。フルーツジュースには、いくらかの栄養素が含有されているが、摂取には注意が必要である」とフランク・フー教授とフレドリック・J・スター氏は述べている。
出典は『糖尿病治療』。 (論文要旨)
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