2019.10.16
, EurekAlert より:
断片化した身体活動が、死亡率上昇の兆候である総活動量の低下に先行しているようだ、という米国ジョンズホプキンズ大学からの研究報告。
1日あたりの身体活動量の低下は高齢者の死亡の前兆として広く認識されているが、身体活動の断片化は、その総活動量よりも早期の死亡リスクの指標になりそうだという。
研究チームは、進行中のボルチモア加齢縦断研究(BLSA)という1958年に開始され、近年では加速度計によって身体活動量を計測している研究のデータを解析した。548名の65歳以上の参加者の2007年から2015年の加速度計のデータと、2007年から2017年の死亡率を使用した。
548名中、2017年には487名が存命であり、61名が死亡していた。生存者は1日平均5.7時間の身体活動がみられたが、17年までの死亡者は1日平均4.7時間だった。年齢、性、人種、BMI、既往歴などの交絡因子を調整したところ、身体活動量は、死亡リスクとは極めて弱い関連性しかみられず、統計的に有意でないことが明らかになったという。
だが、身体活動の断片化はそうではなかった。研究チームは、活動の断片化が10%高まるごとに、死亡リスクが49%高まることを発見した。
また、一回のまとまった身体活動の時間が5分以下であるものの割合が、死亡リスクのよい指標になることを発見したという。そのような短時間の活動の割合が10%高まるごとに、死亡リスクは28%高まったという。
出典は『JAMAネットワークオープン』。 (論文要旨)
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