2019.10.16
, EurekAlert より:
イタリア南部のカヴァロ洞窟から出土した現生人類の三日月形石器を分析し、この石器が投槍器あるいは弓を使って投射された証拠を発見した、というイタリアと日本の国際共同研究報告。
これまで、2万3000年前のフランスのコンブ=ソニエール遺跡から出土した投槍器がヨーロッパ最古の投射具の事例と考えられてきたが、今回の発見はそれをおよそ2万年遡るという。東北大学の佐野勝宏教授が開発した分析手法により、石器から投射具を使って狩猟していた痕跡を突き止めることに成功した。
4万5000-4万年前は、ヨーロッパでネアンデルタール人と現生人類が共存していた頃で、ネアンデルタール人が4万年前に絶滅したのに対し、現生人類が人口を増やしていく要因がわかっていなかった。投槍器や弓を使った狩猟は、生存競争において有利であることがわかっており、今回の発見は、この謎を解明する手がかりとして期待される。
出典は『ネイチャー生態学&進化』。 (論文要旨)
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