2019.10.4
, EurekAlert より:
世界中で何百万もの人が糖尿病を引き起こす可能性のある深刻な血糖値問題を経験しているが、腸内細菌が通常は良いと思われるセロトニンに影響して血糖値レベルを悪い方向に持っていくことが初めて明らかになった。豪州フリンダース大学からの研究報告。
セロトニンは脳内の神経伝達物質として、いわゆる「幸福ホルモン」と呼ばれており、睡眠、ウェルビーイング、代謝などを制御する働きが知られている。けれども腸が全体の95%を生産しており、それは脳内でみつかる幸せな形ではないようだ。
研究チームは、マウスの腸内細菌がセロトニン産生細胞とコミュニケーションをとって、宿主(マウス)の血糖値に影響を及ぼすことを発見したという。
「我々は、腸内細菌が腸のセロトニン産生細胞に信号を送って我々の代謝を悪化させることを発見した。細菌はセロトニン濃度を高めるが、それは我々が以前肥満のヒトでも示していたことであり、この血中セロトニン濃度の上昇は顕著な代謝問題を惹起するのだ」と主任研究者のダミエン・キーティング教授は語っている。
「次のステップは、どの細菌がどのようにそれをしているのかを厳密に明らかにすることである。できれば、それが人における血糖値制御の新たなアプローチにつながればよいと思う。」
出典は『国立科学アカデミー論文集』。 (論文要旨)
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