2019.10.2
, EurekAlert より:
チーズ好きに朗報! チーズに含まれる天然の抗酸化物質には、食事に含まれる多量の塩分による血管損傷に対する保護効果があるかもしれない、という米国ペンシルバニア州立大学からの研究報告。
ランダム化クロスオーバーデザインの本研究で、研究チームは、成人が高塩分食を摂取した場合、血管機能障害を経験する可能性があることを発見した。けれども、同じ成人が高塩分食と共に1日4サービングのチーズを摂取すると、血管障害を経験しなくなったという。
筆頭研究者のビリー・アルバ博士は、人々が味も良くリスクを最小にしてくれる食品を過剰な塩と共にバランスよく食べることの助けになるだろうと述べている。
「公衆衛生行政において減塩の努力が積み重ねられているが、多くの人々にとっては減塩は難しい」とアルバ博士は言う。「チーズのような乳製品を一緒に食べることは、塩分摂取量を減らすことなく、心血管系疾患のリスクを減らし血管の健康を改善するための代替戦略になり得る可能性がある。」
研究チームは、11名の食塩感受性高血圧ではない成人を対象に8日ずつ、低塩分無乳製品食、低塩分高チーズ食、高塩分無乳製品食、そして高塩分高チーズ食の4種類を各々8日間ずつ摂取してもらった。
低塩分食は、ナトリウム1日1,500mg、高塩分食は、ナトリウム1日5,500mgとした。チーズ食には様々な種類のチーズが合わせて1日170g含まれていた。
各トライアルの終わりに、参加者は研究室で皮下に小さなファイバーを挿入し、血管弛緩を促すアセチルコリンを少量投与された。その反応から研究チームは血管機能を測定した。
高塩分無乳製品食の後で、参加者の血管はアセチルコリンによる弛緩反応が低下したが、高塩分高チーズ食の後では、そのような現象は見られなかったという。
アルバ博士によれば、チーズのどの成分が関与しているかを特定することはできないが、抗酸化物質である可能性が高いということである。
出典は『栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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