2019.9.30
, EurekAlert より:
多くの人が体重をキープするのに苦労する。スウェーデン・カロリンスカ研究所のチームは、その原因を明らかにしたという。脂肪組織における脂質の代謝回転率が加齢とともに減少するため、食べなくても運動量が減らなくても、容易に体重が増える状態になるというのである。『ネイチャー医学』誌に発表された。
研究チームは、54名の男女の脂肪細胞を平均13年に渡って追跡調査した。その間、体重が増えた者も減った者もいたが、全員が脂肪組織の脂質代謝回転率の減少を示した。それに合わせて摂食量を減らさなかった者は平均20%体重を増やしたという。
研究チームはまた、肥満外科手術を受けた41名の女性の脂質代謝回転率を調べ、手術後4-7年にわたる体重維持との関係を調べた結果、手術前に代謝回転率が低かった者だけが、代謝回転率を高めることができて減量を維持したという。彼女らには代謝回転率を高める余地が残されていたのだろうと研究チームでは推測している。
「この結果が初めて示したのは、我々の脂肪組織中のプロセスは、それ以外の因子とは独立の方法で、加齢に伴う体重変化を制御しているということだ」と主任研究者のピーター・アルナー教授は語っている。「これは肥満治療の新たな方法への扉を開くものである。」
出典は『ネイチャー医学』。 (論文要旨)
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