2019.9.20
, EurekAlert より:
ウェアラブルデバイスを使用することはより多く運動するための動機づけとして常に充分であるとはいえないが、楽しさと競争性を加えることが駆動力となって現実の結果をもたらすようだ、という米国ペンシルバニア大学医学校などからの研究報告。
ポイントやレベルといったゲームの要素を加えたり、サポート体制、共同作業、競争のような社会的要素を加えることで、職場の身体活動プログラムにおいて有意にポジティブな結果が得られたという。けれども、このSTEP UPと呼ばれる研究がゲーム要素をオフにすると、競争部門の参加者は高レベルの身体活動を持続しているものしか残らなかった。
「ゲーミフィケーション(ゲーム要素の取り込み)とウェアラブルデバイスは、職場のウェルネスプログラムやデジタル健康アプリで一般的になっているが、行動的な洞察と社会的インセンティブのより効果的な組み込みによって健康行動をさらに改善することができる」と主任研究者のミテシュ・パテル助教授は語っている。「我々が発見したのは、行動学的にデザインされたゲーミフィケーションプログラムは、ウェアラブルデバイス単独の場合に比べて、身体活動量の有意な増加をもたらすということだ。9か月の臨床試験において、競争部門の平均的参加者は、対照群に比べて約100マイル以上多く歩いた。」
研究チームは、36週間(介入24週間、追跡12週間)のランダム化臨床試験を、全米40州から集めた602名(平均年齢39歳、70.9%が男性)の肥満成人(BMI25以上、平均BMI30)を対象に2018年2月12日から2019年3月17日の間に実施した。
参加者は、ウェアラブルデバイスを装着してベースラインの歩数を明確にし、目標歩数を選択してから、ランダムに対照群151名、ゲーミフィケーション介入1(サポート)群150名、同2(共同作業)群150名、同3(競争)群150名に振り分けられた。対照群にはウェアラブルデバイスが与える情報以外にはまったく介入は行わなかった。ゲーミフィケーション群は、24週間にわたって行動経済学的な洞察に基づいてデザインされた目標ステップを達成するためのポイントとレベルを用いたゲームを実施した。追跡期間中にはゲーミフィケーションの介入は実施されなかった。
対照群に比べて、介入群は有意に1日当たりの歩数をベースラインから増加させた(介入1は689歩、介入2は637歩、介入3は920歩)。追跡期間中も介入3(競争)群は、対照群に比べて有意に歩数が多かった(569歩)。
出典は『JAMA内科学』。 (論文要旨)
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