2019.9.17
, EurekAlert より:
貧しい食生活が若い患者の視覚障害を引き起こしたようだ、という英国ブリストル眼科病院からの症例報告。BMIに関係なく患者に予期せぬ視覚症状と貧しい食生活がある場合は、栄養欠乏性視神経症を疑うべきであるという。
心血管系疾患、肥満、がんなどのリスクがジャンクフードの摂取によって高まることは良く知られているが、それはまた、神経系にも不可逆的な障害を及ぼす可能性がある。栄養欠乏性視神経症は、消化吸収不良、薬物、貧し食生活、飲酒、喫煙などによって通常起こる視神経の機能不全である。先進国ではまれである。早期に発見されれば回復可能であるが、そのまま放置されれば不可逆的な視覚障害に至るという。
研究チームによれば、14歳の患者は最初家庭医を受診して疲労感を訴えた。この少年には極端な偏食があったが、BMIは普通範囲であり、医薬品の服用はなかった。検査の結果、大球性貧血とビタミンB12低値が明らかになり、ビタミンB12注射によって治療するとともに食事アドバイスを与えた。
15歳のとき、患者には感音性難聴と視覚症状が現れたが、原因は不明であった。17歳のとき、患者の視覚は徐々に悪化して盲目状態まで進行した。医師は患者の栄養状態を調べ、ビタミンB12欠乏と、銅とセレンが低く、亜鉛が高く、ビタミンDが極めて低く、骨密度も低いことを発見した。患者は、小学校以来ある種のテクスチャーをもつ食品を避け、フレンチフライ、プリングル、白パン、加工ハムスライス、ソーセージばかりを食べていたことを告白した。この症状が診断された時点で、患者は恒久的な視覚障害を起こしていたという。
出典は『内科学年報』。 (論文要旨)
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