2019.9.9
, EurekAlert より:
ビタミンD欠乏状態だった子どもは、思春期に入ると攻撃的、規則を守らないなどの問題行動や不安感、抑うつ症状を持ちやすい傾向があることが明らかになった。米・ミシガン大学の研究。
コロンビアで5-12歳の子どもを対象とした調査で、血中ビタミンDレベルが低かった子どもは、高かった子供と比較して、その6年後(11-18歳)に問題行動をとるようになった子どもが(両親の申告により)約2倍にのぼったことがわかった。
また、血中のビタミンD輸送たんぱく質のレベルの低さも、(子どもの自己申告による)攻撃的な行動や不安/抑うつ症状に関連していた。このことは、子供、親、家庭の特徴には関係なくみられたという。
「小学校時代にビタミンD欠乏症だった子どもは、思春期に入ってから、問題行動を測定するテストでより高いスコアとなるようです」と、論文の責任著者であるヴィラモール教授は話している。
教授によると、ビタミンD欠乏症は成人期におけるうつ病や統合失調症などの精神上の問題と関連しており、妊娠期や小児期のビタミンD状態の影響をターゲットとしたものも複数存在するという。しかし、問題行動が初めて現れ、深刻な状態にまで陥る可能性のある思春期までといった広範囲の期間を対象とした研究はほとんどないとのことだ。
今回の研究では、開始時の子供の行動についての評価をしていないなど、研究の限界を認めているが、結果は、ビタミンD欠乏症が公衆衛生の問題となっている他の集団において、神経行動学的転帰を含む研究が今後必要ではないかとしている。
出典は『栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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