2019.8.30
, EurekAlert より:
毛髪中に見つかる特殊な化学的署名に、ユピク族の伝統的な食事との関連を発見した、というアラスカ大学フェアバンクス校からの研究報告。
研究チームは、サウスウェストアラスカ沿岸部の2つの村から68名の住民の食生活を調査した。各住民に対して4回の詳細な食事聞き取り調査を実施し、毛髪サンプルを提供してもらった。研究チームは、食事の潜在的な化学的署名になる、毛髪中の特殊な位置の異なる窒素同位体の比率を分析した。
データ解析の結果、化学的署名は、魚介類や海獣のような伝統的な食物の摂取と強い関連がみられることが明らかになったという。毛髪中の化学的署名の変化は、伝統的な食事の摂取が夏季にピークを迎えることも示していた。
多くの伝統的食物を摂取することは、毛髪中の重窒素の含量を高める。その理由は、この同位体が魚介類や海獣の棲息する海域の食物ウェブで高いことによる。
「我々の食事は極めて複雑であり、我々のほとんどは本当に我々が食べているものに注意を払っていない。そのため食事データには多くのエラーがある可能性があり、食事と健康の関係を決定的に実証するのが困難になっている。化学的署名によって、伝統的な食品がアラスカ先住民の健康にどのように関連するかを実証するためのパワーが与えられるだろう」と主任研究者のダイアン・オブライエンはコメントしている。
出典は『栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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