2019.8.19
, EurekAlert より:
若年成人期の高血圧・高コレステロール値は、中高年期にそれが継続していなかったとしても、その後の心疾患リスクにつながるようだ、という米国・コロンビア大学等からの報告。
今回の研究対象者は、合計36,030人である。コミュニティベースの6つの大規模前向きコホート研究のデータを使用し、追跡調査を行い、18歳からのリスク因子の軌跡をモデル化した。若年成人期(18-39歳)と中高年期(40歳以上)のリスクファクター曝露と、晩年の冠状動脈性心疾患、心不全、脳卒中のリスクとの独立した関連性を推定した。
17年間の追跡期間、冠状動脈性心疾患(CHD)4,570件、心不全5,119件、脳卒中2,862件の発症が認められた。若年成人期からの収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、および高密度リポタンパク質(HDL)および低密度リポタンパク質(LDL)の平均値は、すべて平均寿命と強く相関していた。
解析の結果、若年成人期のLDL値の高さは、中高年期の値とは関係なく、冠状動脈性心臓疾患リスクの64%増加と関連していたという。ほかにも、若年成人期のSBPとDBP高値には心不全のリスク増加に独立した関連がみられた(それぞれ37%、21%増加)。一方で、若年成人期の血圧・血中脂質の状態は脳卒中とは関連していなかったが、中高年期のSBPまたはDBP高値は、脳卒中と強く関連していた。
「我々の結果は、若年成人期というのは高血圧値、または高コレステロール値が特に有害となる、重要な時期であるというエビデンスを蓄積した。若年成人期を通して、血圧とLDLコレステロール値を最適なレベルで維持すると、生涯にわたって心血管疾患予防の利益を実質的に得られる可能性がある」と、アンドルーE・モラン准教授は述べている。
出典は『米国心臓学会誌』。 (論文要旨)
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