2019.8.8
, EurekAlert より:
2年におよぶ臨床試験の結果、1日300kcal摂取を減らすことで糖尿病や心疾患のリスクを有意に低下できることがわかった、という米国デューク大学医療センターからの報告。既に健康的な体重かわずかに太り気味な者でもコレステロールレベル、血圧、血糖値などの指標がさらに改善された。
研究チームは、CALERIE(カロりー摂取量低減による長期的効果の包括的評価)プロジェクトの参加者で21-50歳の218名(BMIは22.0-27.9 kg/m2)を対象にランダム化対照試験を実施した。
「カロリー制限については何かがある、我々がまだ知らないなんらかのメカニズムがこれらの改善をもたらすのだろう」と筆頭研究者のウィリアム・クラウス教授は語っている。「我々は血液、筋肉その他の検体を集め、この代謝信号や魔法の分子がなにをしているか探求を続けるだろう。」
臨床試験の最初の月に、介入群143名は新しい食事の慣れる助けにと、1日の摂取カロリーを4分の1カットした食事を3食摂取した。6種類の食事プランが文化的その他の理由にあわせて選択できるようになっていた。介入群はまたグループまたは個人のカウンセリングを最初の6か月間受けた。対照群75名はそれまでどおりの食事を続けてもらい、6か月間月1回研究者と面会した。
介入群は、2年間にわたって25%のカロリー制限を維持するようにいわれた。実際の制限について評価したところ、全員の平均カロリー制限量は11.9%だった(対照群は0.8%)。介入群は平均7.5kg減量した(対照群は0.1kg増加)。71%が脂肪だった。
さらに、代謝疾患のリスク指標である生体指標の多く(LDL-コレステロール、総/HDL-コレステロール比、収縮期血圧、拡張期血圧)が有意に改善されたという。またC反応性たんぱく質、インスリン感受性インデックス、メタボリックシンドロームスコアも対照群と比べて有意に改善した。
「本研究が示しているのは、それほど大きなカロリー制限でなくても、糖尿病や心血管疾患の桎梏を低下させることができるということだ」とクラウス教授は語っている。
出典は『ランセット糖尿病&内分泌学』。 (論文要旨)
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