2019.8.1
, EurekAlert より:
AIを用いて複数のバイオマーカーから、生物学的年齢を推測する技術についての米国インシリコ医学社による最新レビュー。
ふたつの年齢がある。ひとつは暦年齢で、生まれてからこれまでの時間経過を示すもの。もうひとつは生物学的年齢で、遺伝子、生活習慣、行動、環境その他の因子に影響される。生物学的年齢は、ヒトの寿命や健康状態に密接に関連してくるため、信頼できる生物学的年齢の推定方法が何十年にもわたって研究されてきた。
2016年以降、ディープラーニング(深層学習)技術を用いて暦年齢と生物学的年齢を推定する方法が加齢研究領域ではポピュラーになりつつある。人工知能の進歩と大規模データセットが利用可能になったことから、この分野でのブームにつながり、さまざまな年齢予測バイオマーカーがみつかってきた。
複数の予測因子を組み合わせて解析することが可能になり、そこから加齢プロセスや健康な加齢に寄与する因子についてのさらなる理解へつながることが期待されている。
「人間は、画像、ビデオ、声、匂いなどから相手の年齢を非常に良好に推測する。ディープニューラルネットワークは、それをもっと良くしたが、我々は今や最も重要な因子が何であるかを解釈できるところまできた。ヒトが暦年齢よりもずっと老けて見えるときは、かなりの確率で病気である場合が多い。訓練された医師は外見から健康状態を推測することができる。インシリコ社で、我々は広範囲のディープバイオマーカーを開発しており、それは長寿医学研究領域で使うことができるだけでなく、製薬業界や保険業界でも使うことができる。本論文において、我々は、最近の進歩について記述している」とインシリコ医学社の創業者CEOであるアレックス・ザヴォロンコフ博士は語っている。
出典は『薬理科学の動向
』。 (論文要旨)
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