2019.7.29
, EurekAlert より:
健康的な食事指数(HEI-2005)で高スコアとなる「質の高い」食事をしている人は善玉菌が多くなり、低スコアの食事では悪玉菌が増えるようだ、という米国・ベイラー医科大学等からの報告。
今回の研究では、個々の食事を調べるのではなく、健康的な食事指数(Healthy Eating Index (HEI)-2005)で定義されている食事パターンがマイクロバイオームにどのような影響をおよぼすのかに焦点を当てたという。
対象者は、2013年から2017年の間、Michael E. DeBakey退役軍人省医療センター(ヒューストン)において、内視鏡検査を受けた34人(50-75歳)である。食事摂取量はFFQを用いて確認した。HEIの総スコアおよび各項目のスコアと腸内細菌の種類や量の関係について解析を行った。
腸内細菌については、次世代シーケンス技術を使用し、大腸粘膜の細菌の種類と量を分析した。通常、この種の研究では糞便サンプルを用いて腸内細菌を推定することがほとんどであるが、糞便中の細菌と腸内細菌が完全に一致するわけではない。今回は大腸粘膜から細菌を採取しているため、より直接的な分析がなされたといえる。
結果、米国の食事ガイドラインでも推奨されているような果物、野菜、全粒穀物を豊富に摂取し、砂糖やアルコール、飽和脂肪が少ない「質の高い食事」は、善玉菌の多さと関連すること、反対に低質な食事は、大腸がんとの関連も指摘されるような悪玉菌の多さとのつながりが明らかになった。
「疾患のリスク要因としては、加齢・遺伝・特定の薬剤などもあげられますが、これらはどうすることもできません。しかし食生活は改善することができ、食事を介しマイクロバイオームを修正することは、慢性疾患のリスク減の戦略の1つとなる可能性があります」などと筆者らは述べている。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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