2019.7.23
, EurekAlert より:
人々が運動を始め、それを続けていくことに関連するエビデンスをまとめた、英国国立健康研究所からのレビュー報告。
身体活動は、心と体のウェルビーイングと社会とのつながりの維持に重要である。
研究チームは、日々の身体活動を増やす方法に関する50以上の研究(進行中のものを含む)をレビューした。幼児期以降のさまざまな年齢層のニーズと機会の変化、および職場や人工および自然の環境における介入について検討した。
本レビューが示していることは、単一の解決法というものはなく、各々の状況に応じた効果的な方法があるということである。従来の研究は、自己申告を中心とした小規模の研究が中心であったが、本レビューではより質の高い研究に焦点をあわせており、意思決定者を支援するための重要かつ成長中のエビデンスに基づいていることを強調している。
レビューの知見には以下のものが含まれる。 ●共同体管理者や政策立案者は、人々の習慣・行動を形作る多様な因子と、人々がアクティブになるための全範囲の方法を考慮すべきであり、スポーツやエクササイズに限定して身体活動をみるのは避けるべきである。 ●最大規模かつ最大に持続可能な利益、特に現在最も活動的でない人々にのための利益は、ルーチンの日常生活で偶発的に起こる部分としてのアクティビティの増加からもたらされるようにみえる。有望な介入には、公共のアクティブな輸送機関の利用機会を改善する、緑地とレジャー施設へのアクセスを促進する、学校や職場でのルーチンの座位時間を減らす、などが挙げられる。 ●特別な個人やグループに合わせたプログラムもまた効果的であり得る。サッカークラブを駆け抜ける減量プログラム、糖尿病リスクの高い人々がもっと歩くことを促進する教育プログラム、など。多くの成功したプログラムの共通の事項として、彼らがどれくらいアクティブかをモニターする日記や身体活動量計の使用、わずかな時間の利用、目標を決める、楽しめるまたは社交的なアクティビティを作る、など。 ●直接的な身体的利益を超えて、人々がもっとアクティブになることを助ける介入は、人々のウェルビーイングと社会的つながりを改善する、排気ガスを減らす、などもっと多くの利益がもたらされる可能性が高い。 ●社会的、文化的、金銭的、個人的理由によってアクティブでない特殊なグループを支援するために介入をカスタマイズするためのより多くの研究が必要とされる。
出典は『国立健康研究所』。 (論文要旨)
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